飲食店の特徴は、営業するための設備や装置の負担が大きいことである。調理器具、ダクト、ダクトフード、グリストラップ、机・いす、皿、消火設備等、物販店に比べ開店時に用意するものが格段に多い。この負担をテナントに持ち込ませるか、大家側で用意するかは賃貸借契約の定め次第となる。大家側で用意すればテナントは設備の負担がなくなり開業しやすいうえ毎月の償却が不要となるため営業が楽になる。大家側はその分だけ初期投資がかかるため、毎月受領する賃料を大きくして回収していくべきである。どちらのスタンスをとるかは、周辺の店舗区画の賃貸借契約の慣行を考慮して決める必要がある。なお、大家側に初期投資コストがなければテナントに持ち込ませるしかない。家賃水準については、提供する料理の商品力や人気、通行量に左右される。1F(路面店)か2F以上(空中階)、地下店舗などによっても異なり、路面店のほうが高くなる。空中階への誘導は階段、エレベータの形状・規模も大事であるが、最も重要なのは看板であり、テナント側が看板設置を強く要望してくるのが一般的である。