土地活用と言えば建物を建てること、と考えがちですが、
実は一部売却するという選択肢をご存じでしょうか?

もちろん
「この土地は先祖代々のものだから売るなんて」
という方には検討しずらいことですが、
考えたこともなかったという方には土地を一部切り取って売却すると
大きなメリットが生まれます。

まず資金面で大きなメリットがあります。

資産規模をとにかく大きくしたい方は
建築資金としてローンを借りて大きく建築すればよいのですが、
ローンを借りたくない方も結構おられます。

そのようなかたは一部の土地を売って現金を手にいれて、
それを建築資金として投じれば
ローンを組むことなく
元本や金利の返済にとらわれることなく
家賃収入の多くが手元に残ります。

相続税の評価面でもメリットがあります。
土地より建物のほうが相続税の評価額が大きく減額されます。

全てのパターンに当てはまるとはいえませんが、
比較的都心の場合には
土地と建物を交換するような形になり
評価額の減少につながりやすいです。

ただ、相続税の納税額が相当大きいというかたは、
ローンをとにかく借りて高額な節税を図ることで、
納税額を減じるほうがメリットがあるかもしれません。

売るのかそのまま建てるのかは、
資産総額次第のところがあります。

専門家との相談が必要です。

安全面でもメリットがあります。

アパートやマンションなど、
作りすぎることで将来の稼働率が危ぶまれる場合があります。

駅からの距離や利便性など、
満室経営ができるかどうかを
よく確認する必要があります。

介護施設などは駐車場確保や運営のしやすさの観点から
建物を上には高く積まないという発想もあります。

さて、この「一部売却方法」は
あまり建築会社や不動産仲介会社から提案されることはありません。

それはなぜでしょうか。

一部売却をすると儲けの額が減ってしまうからです。

不動産仲介会社は売却するなら全部売却したいと考えます。

仲介料は売買金額に比例するからです。

建築会社は建てるなら大きくたてましょうと提案します。

受注額が大きいほど儲かるからです。

それぞれの思惑が働いて、
一部売却して一部建てるという妙案は
なかなか出てこないのが実状なんですね。

このような提案は
不動産コンサルタントや良心的な設計士が提案できますが、
普段あまりお目にかかることはないと思います。

安全性や資金面に心配なかたは、ぜひ専門家にご相談してみてください。