利回りの続編です。

利回りとは家賃÷購入金額だったり
純収益÷購入金額だったり、
PERの逆数に近いというお話をしました。

実は別のアプローチでも表現されることがあります。
それは「金利との比較」です。

金融商品としては、
預金ならそのリターンは「金利」
株式ならそのリターンは「配当」
債権ならそのリターンは「クーポンor金利」になります。

不動産というのは、
投資対象として金融商品と比較すると
次のようなメリット・デメリットがあります。

ーメリットー

〇資産として安全であること

これは、
土地は無くならない
株価変動に巻き込まれにくい
などの意味合いです。

ですが、
建物は天災により焼失・消失することはありますし
インフレ・デフレなどの影響も
長期的には影響を受けるリスクはあります。

ーデメリットー

●現金化に時間がかかる
文字通り現金化には
買ってくださる買主の登場が必要であり
売買契約書を締結し登記をするなどの作業も必要なので
お時間がかかります。

●管理が容易ではない
金融商品のように預けておけば済むわけではなく
管理会社を置いたり
テナントが抜けたら募集したり
劣化した部位は修繕が必要だったりします。

●投資対象としての危険性
金融商品のうち、特に(預金を含めて)元本保証型のものと
比較すると
リスクが当然にあります。

 テナントが退去する
 テナントから家賃の減額交渉を受ける
 空室募集が埋まらない
 募集家賃を下げざるを得ない
 銀行から借りている金利が上がる
 修繕費用が予想以上に嵩む
 地価が下がる
 建物の劣化が予想以上に進む
 固定資産税が上がる

などなどです。

このようなメリット・デメリットを一般には長期金利をベースとして
それに加減して不動産の利回りは決定されるともいうことができます。

管理の困難性 +1.5%
投資対象としての危険性 +1.0%

といった調整をしたりしています。

ですが、実際にはこのような調整は
不動産鑑定を行う際には理論的に組み立てていきますが、
実際の取引においては市場参加者である不動産投資家や事業法人、
仲介会社、銀行などが、かなり感覚的に決めているというのが実状ですね。