更地や取り壊し予定の土地建物があると
プロの不動産会社や仲介は
立地や都市計画から、
どのように使える土地なのかをまず考えます。
どう使うとよいか(建物種類や用途)は、
「一番儲かる活用方法」
または
「一番高く売れる方法」
とほぼ同じです。
たとえば、駅前の繁華街の土地は
商業店舗ビルになることが多いです。
それは、
事務所や住居として貸すよりも
店舗に貸したほうがたくさん賃料が
得られるからです。
また、1階はどの用途が良いか
比較的つかみやすいですが、
2階以上の階に何を建てられるかは
時々悩むことがあります。
例えば2階までが店舗で3階より上が事務所、
というビルはよくあります。
この場合は、3階に店舗を作っても
お客さんが上がってこないと判断されていたり、
事務所の用途ならニーズがあるとわかれば
店舗ではなく事務所仕様として建築する
という検証の過程を踏まえています。
さらに事務所のニーズがないエリアでは
3階より上は住宅になったりします。
あとは、容積率の指定もあるので、
建てられても5階までといった理由で
活用方法が決まったりします。
このような検証をそれぞれのプレーヤーが行っています。
その結果として、
自社で使うため、または大家業として貸したりすることを目的として、
それぞれのプレーヤーが提示する価格に競争原理が働きます。
それにより、最も高い値段を出せる
プレーヤーが購入し、
その土地の利用方法が決まっていきます。
もっとも、稀なケースとして、
・金は出すけど儲け主義ではなく
地域のためになるものを作るという「社会派参加者」や
・売主が作ってほしくないことをやろうとする人には
売らないという「条件付き譲渡」
(風俗店や過度に繁華性が高いものを割ける指示など)
の場合もありますので、
毎度毎度必ず経済合理的な理由で決まったものが
常に建てられているということでもないわけですね。
さて、広めの住宅街の土地はどうでしょうか?
駅から遠くなければ分譲マンションや
賃貸マンションの用地となることが多いです。
そんなときはマンションの素地の仕入れを目的として
それぞれ開発デベロッパーや投資家が
高い価格を提示して競争します。
でも駅から遠かったり、
マンションより一戸建てのニーズが強いエリアでは
戸建て分譲用の土地として使用することで最も値段が高くなることが多いので
そのような目的で取引されることになります。
人口が減少しているエリアでなければ
まとまった土地の売り方の定番は
やはり戸建て分譲会社に
開発用地として譲る方法です。
いまなお新築戸建ニーズは強いです。
売りたい土地の話があるときは
値段だけでなく、
誰が何をしようとする土地なのかを確認していくと、
またビジネスの奥深さがわかったりしますね