サブリース契約についてはアパート経営の成否の鍵といっても言いすぎではないぐらいに重要なポイントとなっています。
管理会社・建築会社等からは、「ずっと賃料が保証されますので安心」との説明がされるわけですが、実際の条文には賃料が固定されていると記載されていないのがほとんどです。
賃料が変動します、とも明確に書いていないわけなので、なんとも判然としないのですが、
賃料の増減について一般的な表現としてはこのようになっています。
「経済情勢の変化、公租公課その他経費負担の増減等により賃料または共益費の額が不相当となった場合、甲・乙は相手方に対して、賃料および共益費の増減額を請求することができるものとし、甲、乙協議のうえ決定します。」
この場合、甲(オーナー)と乙(テナント・管理会社等)のあいだで協議をし、両社が合意に至らない限り賃料は変更しないわけですが、仮に乙側から賃料の減額を一方的に申し出ることができる旨の記載がある場合には、将来の減額が予定されていると言わざるを得ないため、要注意ということになります。
不動産の情報サイト等では建築するオーナー側の注意点として、「賃料を固定とすること」「下げないように交渉して決めること」などと記載がありますが、実際のところは下げないで賃料を保証する会社はほぼ皆無だと思います。
つまり空室のリスクは直接的にオーナーが負っていると整理して理解するべきであり、それに打ち勝つには自らアンテナをたてて、住人ニーズ・競合物件の状況などを研究して、管理会社とともにリノベーションを行ったり募集方法を改善していく努力が必要なのだということです。
その意味で賃貸経営につき放置しておいても家賃が入ってくるというような「おいしい」ビジネスの時代は終わりつつあり、努力した人に収益がもたらされるという一般的な競争社会の1ビジネスに変わってきていると考えるべきですね。