世界経済や政治の世界と不動産市況。一見すると縁がないようでつながっています。
その端を発するのはいつも「金融」ですね。
リーマンショックのときも日本の不動産物件の賃貸需給バランス自体はなにも変わらないのに海外の金融業界が問題になったことを引き金に日本の不動産への融資を絞り込みました。
バブル崩壊のときも「不動産向け金融の総量融資規制」を行いました。こちらは政治的な圧力だったといえるでしょう。
日本の製造業が設備投資を国内で行わなくなり金融機関が国内で融資をする場所は相当限定されてきました。
その結果、頭を使わない金融機関にとっての最後の楽園は「首都圏にある優良不動産投資物件」を担保にとる融資マーケットでしょう。
首都圏の優良企業に勤めるサラリーマンが購入するアパートやマンションへの融資。
額が稼げて担保が取得できて事故(不良債権化)が起きにくいのはもはやこれぐらいなんでしょう。
そんなアパートマンション収益物件への融資も物件稼働率の実態が怪しくなれば考え直さざるを得ません。
こちらの記事は金融庁・日銀が一歩早くそれに対してアラームを出した格好になっています。
ロイター
http://jp.reuters.com/article/fsa-loan-idJPKBN14016D?pageNumber=1
銀行がローンを絞り込むと途端に売り買いが成立しなくなり、価格が下がり始めます。
売らなくても良い方は賃貸需給バランスだけ気を付けていればよいのですが、そんな賃貸需給も不安要素があります。
賢明な大家さんはうすうす気が付いているはずですが、東京23区内で生じている東京一極集中も2020年には反転しますし、少子高齢化は止められない動きです。
神奈川などの、東京以外の首都圏における空室率増大は、それを色濃く反映しています。
相続税対策や土地活用など、アパマン建築営業が提案して建てさせる旧来型のお手軽なアパート・マンションは今後も供給が留まることはないでしょうし、
自分の物件より駅近くにある土地はすべて潜在的な競合となる可能性も高いわけです。
ましてや○○建築、○○ハウスの物件とまったく同じモデルで築浅・駅近に競合が建てば、勝てるものは家賃設定だけになってしまいます。
アパートマンションの商品性の差別化やアパマン以外での土地活用、ますます需要が増大すると思います。