アパート・マンションの経営で意識することは「稼働率」と「家賃収入」ですね。

ですが、単に家賃を上げて稼働率を上げればよいことばかりでもありません。

まず賃料を上げるにはどうすればよいでしょうか。
競合の物件との家賃競争においてこちらが劣勢になるわけですので、

それ相応の見返りを与えなくてはいけません。

それも、①賃貸募集をしてくれる業者と②住人候補(決まったら住んでくれる方)の両方にです。

なぜ①②の両方なのかは別の機会にお伝えしますが、
少なくとも家賃を高く払っていかなくてはならない②住人候補の方にはそれ相応の納得のいくものを提供する必要があります。

物件のグレードで提供するなら設備や内装のリフォームですし、お金で提供するならフリーレント、礼金や敷金の減額になります。
お金で提供する際、もっとも意識しなくてはいけないのは何でしょうか。

それは「入居する人物の属性が悪化すること」です。
礼金・敷金・フリーレントの減額が十分だったり設備が良好なものであれば合理的な判断をする方も入居してくれるのですが、

そうでない場合に契約してくださる方は失礼ながら多少金銭感覚の鈍い方が契約しますので、

モラル感に欠ける方になりやすく、賃料滞納や不払いが起きる可能性が高くなります。
家賃を高くとろうと思ったのに、そうしたばかりに年間を通せば実入りが少なくなったということはよくあります。

腰がすわらないのか、契約期間も短くなりがちですね。そうするとやはり空室がまた出たりします。

「そんなことないだろう」と思いますが、申し込んでくるのは見事に若い契約社員さんだったりフリーターさんだったりします。

その昔は入れ替わりが多いほうが礼金が得られたため「収入ボーナスのチャンス」だったわけですが、

現在は空室期間無収入となることや原状回復工事が敷金を超えることなど、必ずしもプラスばかりではなくなりました。

息長く住んでもらえることのほうがメリットが大きくなりました。

入居時の審査もきっちりやりたいですが、単に高い家賃を突き通すことが中長期的にはメリットではないことも肝に銘じておきたいものです。