相続税の納税額は土地と建物のそれぞれの資産額から基礎控除額を控除し一定の税率を乗じて計算される。土地を貸したり(借地)、建物を建築して他社や他人に賃貸すると相続税計算上の資産額が減額される仕組みとなっており、建築と賃貸は、高い税額を合法的に減額できる有効な手段となっている。現金を建物に換えるだけでも減額効果はあるが、さらに減額するには「他社や他人に賃貸」する必要があるため、自宅の建て替えだけではなく、少なくとも一部を賃貸にしたり(賃貸併用住宅)、賃貸用アパート・マンションを建築する人が増えてきている。相続税納税額の減額だけに腐心してキャッシュフローが回らなくなったり高額のローンを抱えるなどの本末転倒な取り組みは避けたい。また、税務申告直後に売却するなど節税目的の度が過ぎる場合には税務当局から否認されるおそれもある。