テナントが契約期間を満了する前に解約して退去する場合、オーナーに対する違反金の支払いを行うように定めるのが「違約金(ペナルティ)設定」である。テナント仕様で新築している場合には長期でテナントに借りてもらうことが前提となるため、期間内での解約については相応の違約金設定をすることが望ましい。預かり敷金の没収のほかに、即時解約の際の○か月分賃料徴収や建設協力金残金の返済免除、別途独立の違約金設定などがある。介護施設ではペナルティの種類は非常にさまざまである。数か月前予告のみで解約ができてしまうものから、テナント都合による解約時の預け入れ敷金の放棄、残期間の建物未償却金額相当額の返還、残期間賃料全額の支払いなど多岐にわたる。
テナント仕様ではなくビルイン型の場合には、次のテナント誘致が比較的楽な場合があり、その際には高額な違約金設定は必要がなくなる。違約金の別途支払いが厳しい場合に備え、保証金という名目で金銭を預かっておけば、違約金のとりっぱぐれは少なくなり保全の強化につながるが、十数年前と比較すると近年は保証金そのものの額が低下の傾向にある。