みなさん、不動産を売却するときに「不動産と時間の関係」を考えたことはありますでしょうか。

不動産を高く売却したい方は特に時間軸との関係をぜひ意識していただきたいです。

不動産の場合は基本的には2つと同じ物件はありませんので

たった1つの物件にたった1人の買主が価格に合意したとき価格が決まります。

でも実際には似たような物件同士には競争関係が働きますので、

たとえばマンションの302号室と303号室は面積や方角が同じであれば

「同じ商品」ということになります。

両方が売りに出ていれば相互に比較対象になりますよね。

本当にこの物件には「3000万円の価値があるはず」となれば、十分な時間をかけて、

売買市場に物件情報を提供させて

「これは確かに3000万円の価値があるな」

と思う方をたった一人探すべきとなります。

購入する人は誰もがみな足元を見るわけではなく、

じっくり探したい方にはその価値が届く可能性が十分にあります。

必要なのは十分な情報提供と十分な時間というわけです。

こちらをご覧ください。

よく経済学で使う、ある商品やサービスに対して「量と価格が決まる」ときの考え方のグラフです。

青い横線は価格が高めであることを示しています。

売りたいほう(供給側)は価格が高くなるほど沢山うりたいわけです。

でもDの需要側(買いたい側)は安いならたくさん買ってもいいけど、

売りたい側は安いなら少ししか売りたくないわけです(下の図)

買う側はバナナや缶ジュースなら安いならたくさん買うけど高いならそんなに買わないですよね。

この結果として、DとSの交わる点で売れる量と買う人と価格が同時に決まるわけですね。

でも不動産の場合には、いくつも同じ者を売るのではなく、たった1つが売れればよいわけですね。

なので、買い手がたった1人見つかればよいのに高くしてしまうと買いたい人は現れないことになります。

どうしても早く売りたい人は待つことができず、

不動産は1つしかなく売る量を減らすこともできないので、

その不動産の価格を下げるしかないわけですね。

一般に早く売らなければいけない方ほど足元を見られます。

ゆっくり売ることができる方は指値をじっくり待つことができますよね。

期限がある方は不利になります。

ですので早く売らなくてはいけない方には、
・相続で売らなければならない人
・転勤する人
・決算の関係で決算期日までに売る会社

などがいらっしゃいます。

いわゆる「不動産業者」はこのような売り物件を狙っているわけですね。

私たちが高く売りたいときにはぜひ余裕を持って、時間に追われないように計画的に売るようにしたいものです。

時間を味方につけましょう。